キライ/小原あき
 
落ちていく夕陽が一段と大きかった
真ん中に「キライ」と書いてあった
濃い橙色で燃え尽きる夕陽の真ん中に
真っ赤な色の浮き彫りで
真ん中に「キライ」と書いてあった
なんだか悲しいので目をそらしたけど
どこまでも目の中に夕陽が残っていた
消えなかった
真ん中に「キライ」と書いてある夕陽が
目の中に
涙が溢れて消えるまで
どこまでも追いかけてきて
胸の中までも焼かれた気がした



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