19才の春/
天野茂典
と決めこんだ。
とても暖かだった。
北海道と雲泥の差だった。
ぼくたちは桜の花が満面咲き誇った桃源郷にいるような気持ちにな
った。
そこには桃の花も杏の花も藁しべのぬくもりと等価でぼくたちをや
さしく包んでくれた。ぼくたちは冬から春へ急にワープするのを知
った。
大地は既にちいさな木の芽を育んでいるのだった。
2004・7・4
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