かれいろ/kauzak
 
枯れ色を顕わにした麦畑は
豊穣の実りを得て
収穫を待ち受けている

その風景を見慣れない僕は
寂しい色としか捉えられない

咲き競う花々
明るく輝く若葉

新緑が萌え立つ季節に
実を結び生涯を終えようとする
麦は他の植物とは
少しだけ変わっていると思っていた

けれど
少し目を凝らせば

咲き競っていた花は
まもなく散っていって
実を結んだ一年草は
惜しげもなく枯れていって

それは
あまりに
密やかな
あまりに
ささやかな
営みで

豊穣の枯れ色が顕わになる
麦は誇らしいのだろうか
枯れ色の中に黄金を感じ取る
ことができたとして
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