「ジューン・ブラインド」/ベンジャミン
 
梅雨の晴れ間にでかけた海で
潮の香りを楽しんでいる君

白いワンピースがひらめいて
そのいたずらな風さえも
まるで子犬をからかうように
君はすらりと笑い飛ばす

そんなんじゃ日焼けしちゃうよって

いきおい良くかけよってきた
君は僕のふところにダイブして
一緒に倒れこんだ砂浜

照れながら立ち上がる僕の足元で
君は僕の影にかくれようと
子犬みたいに小さくなっている

なんだか恥ずかしくて
見上げた空には雲ひとつなく

そんな気持ちをかくせない
僕だけが照らされて
仕方なく手のひらで日傘をつくる

その視線の先では

海鳥たちが
きれいに宙返りをしているよって

君はちっとも聞いていない

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