ガラス玉/
sui
コロコロと転がっていく
ずっとそれを眺めていた
問題なんて何もないよと
誰も口にはしなかった
そっと壊さないように
優しく拾い上げてくれたのは
伝えたい言葉をなくして
探している人だった
ふたりは手をつないだまま
映らないものを大切にした
そこに在るというだけで
言葉は特に必要なかった
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