私の時間/ここ
物心がついた頃
私の首には、細い紐で作られた長い首輪が掛けられていた
その時の結び目は確か、みっつ
毎年、誕生日に紐が切れる
だから毎年結び目が増える、ひとつ
そして毎年、少しずつ短くなる
この首輪、一体誰が掛けたのだろうか
父も母も首を捻るばかり
何故今まで誰も疑問を抱かなかったのだろう
皆見て見ぬふりをしているのだろうか
まだ、長さには余裕がある
ただ、結べない箇所で切れないように願っている
簡単に外せそうだが
この首輪を外そうと考えたことは、まだ無い
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