飲食店の席で/ブライアン
 
歴史は永遠に続く。一人の男が時計を見る。わざとらしい仕草だった。だが、年長者は思惑通り、そろそろでるか、と言って席を立った。年長者のグラスは空だったが、その他の者のグラスには、半分以上もアイスコーヒーが残されていた。残されたアイスコーヒー。それが唯一の世界だった。年長者に続いて皆席を立った。抗えない力によって、何をすべきか、何をしているのか、を知ることになる。だが、この世界は絶対ではない。年長者が出口に向かい歩き出したとき、一人の男はアイスコーヒーを飲み干す。世界の言葉が沈黙を決め込む事柄に対して、語りかける術はある。待ち合わせの時間から五分過ぎて姿を現した友人に対して、笑って文句のひとつを言うよ
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