seven/還る/春日
十七歳のわたしは
高校という檻の中から抜け出せず
今日もこうして
いましか出来ないことがあるのだと
信じていたのだけれども
一つも無いことに気付いてしまった
疑うことはすなわち
いまを生きることの問いへと繋がるしかないから
思い込んでいるだけで
似合わない化粧でつよがる女子高生
新聞を読みつつため息をつく中年のおじさん
名前も知らない高校の校長も
誰もが寄り添いたがっている
成長は必ずしも正解ではなかったね
生き続けていることが比例していない
それでも大丈夫だと
胸を張っていればよかったけれど
それはわたしらしくないと感じていたし
わたしらしくなかったし
でも本当は
それさえも飲み込んでしまえば楽になれる
飲み込んでしまえよ
ただ佇んでいるだけの日々を休止して
軽やかなステップを感じられ始めたら
十の位を失って
一桁のわたしへと
きっと戻ってゆくよ今日
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