夜の空になる/結城 森士
やがて血の気が引いていくように、夕暮れは夜に変わっていく
何をしたのだろう、あたしが
何をしたのだろう、あたしは
何者だろう
あたしの中であたしに語りかける
この声の主は
空は徐々に姿を変えながら、執拗にあたしを責めつづける
何処まで行こうとも、空はあたしの背後にある
疲れたから、人の来ない路上に横たわって目を閉じた
* * *
時折、ふと正気に返り冷静に自分の行動を分析するけれど、自分のとってきた行動を信じることが出来ずに、そんな時よく考えることといったら、何故沙織ちゃんはあたしを迎えにきてくれなかったのだろうか、とか、何
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