恋猫/三上山一己
 
僕の歩くその上で

猫は二匹で鳴いていた

邪魔者はきっと僕なんだ

邪魔者はきっと僕なんだ


突然雨が降り出した

僕の心の無意識が

二匹の邪魔をしたようで

周りの視線の冷たさが

僕の鼓膜を貫いた


頼むから

頼むから幸せでいて

雨上がりの空に

二匹の影を重ねて

戻る   Point(5)