夜のささやき/まきび
 
ちりぢりになった
個はなぜ
女として固まるのだろう

いちど断裂せしめられ
求心力により
私の中で女と言う星がやがて
かがやく

寂しくて
悲しい
心の奥底の詩は
男としての小さな
私へと帰ってゆく

他とのつながりは
むしろ男の領域であろう
人間として在らぬまま
女として在る日は
もう二度とないさ

愛しくて
優しい
心の根底の光は
女としての私だけを
形作ることができる

いや
探しはしない
月が吹き付けた
夜風の中でそっと
静まっているさ

たとえられない心は
ずっと そのまま




2008.6.2
19:23



戻る   Point(4)