reverse/imitation/aidanico
電気を早く消しておくれよ、瞼に電気がチラついて走って躓いて擦り剥いてその跡が焼け付いて眠れやしない。あんまりにも雨が泣くから夕焼けが真っ赤に腫れている。グラデーションのパレットをひっくり返して迷い込んだここはまるで透明な遊園地だ。銀紙越しにサファイヤブルーが透けて見える。その碧さがいくら煌びやかに着飾って見えたって、僕は泣かない。そんな物は嘘っぱちだ、と思いながらも前頭葉が熱くなるのだ。見掛け倒しがここ一番の京橋駅のギター奏者、みたいに、メジャーのセブンスで声が潰れる迄叫ぶよ!節目が目立つのは若さの証拠さ、折り目が汚いのは焦燥の証さ、まだ芽が出ないのはきっと時期を耳を澄まして窺っている。携帯電話を携帯して無いのは形態がまだ未発達であるからなんだ、赦しておくれ。そんな遠くで目を細めて君は何を見るの、幻よ、なんて答えないで、市バスの六番は逆さまに烏丸御池まで向かっている。あ、今あなたの思考から私が消えた、持って行った差し入れは邪魔な塵になって廃棄される。そこから僕は居なくなって無くなって朝陽を見るんだ、もう明け鳥が鳴くよ、早く。
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