愛の果実と真実と/まきび
みな僕のように
神経症患者さ
細かなことを気にして
人の評価ばかり気になって
何度も何度も手をあらうように
何度も何度も愛情をたしかめる
おかしいのは僕だけじゃない
そのことに気づかないんだ
君は
愛がほしい
愛がほしい
日向で寝転び
笑いあう
そのような暖かい
けれども完全なる
夢物語が
いつかほんとうになって
どうか僕の目の前へ
滑稽 その感覚が
君にわかるかい
突然なにもかも
どうでもよくなって
何もしたくなくなる
テレビも
おしゃれも
好きな子と合うことでさえ
おっくうになる
すべて滑稽に思えるのさ!
好きなもの
大切なものが
崩れ落ちてしまった後
僕に残るのは何だい
真実さ
ペンを手に持ち
体のどこへなりと
突き刺せば
血が出るという
単純な けれども
忘れられている
真実さ
愛がほしい
愛がほしい
愛の果実を積んだ車は
まだ首都高を走っているのかい
混んでいるだろう
いつも土曜日の朝はそうでね
2008.6.1
15:10
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