シャウト/砂木
 
拍手が送られた
家族が多かったのだろう
部員達が一軒一軒歩いて
寄付を求めたお店や会社の人も
きていたかもしれない
応援しようという空気が客席から溢れた

私は小さな甥と歌って歩いた散歩を思う
お花きれいだね
あっ 葉っぱだ
すぐに走っていこうとする手を握った
あぶなくて離せなかったけど

目の前を走り去って舞台にあがる
もう 手は翼になっている

拍手で風がおきるのなら
精一杯 たたくよ

風にのり 飛んでゆけ
小さな演奏者よ





 


戻る   Point(11)