詩人の墓/亜樹
 
今日図書館で谷川俊太郎の『詩人の墓』を読んだ。
そうして大学時代谷川俊太郎を専攻していたというゼミの先生が、今の日本で詩だけで食べてゆけるのは谷川俊太郎一人だと言っていたのを、唐突に思い出したのである。


生粋の詩人が一人しかいない国で、私は詩を書いている。



それは当然飯の種ではない。私は一応、嘱託職員という名の、一年限りの契約であるものの、きちんとした仕事をもっていて、平日の9時から17時まで、毎日8時間働いている。その労働で賃金を得ている。その金で食料を買い、水道代電気代を支払い、保険料を払って、余った分で貯金したり本を買ったり、している。
書いた詩で生活しようと思っ
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