雨宿り/西日 茜
 
おそらく灰色の 町外れの停留場は
傘の上のダンスの 懐かしい音がするので
目玉の星が キラキラ光ってしまう

セルロイドは酸性雨に弱く
ネジ式の動力で
スキップをしながら溶けそうにしていた

ボクはキミに 長靴を片っぽ履かしてやった

ありがとうも言わずに ブカブカの
うれしそうに飛び跳ねた
その拍子にピチャンと水溜りに落ちて
セルロイドは跡形もなく消えた

今のは何だったんだろう…

水溜りに浮いた 片っぽの長靴
ボクは黙って拾い上げ
中に溜まった水を捨てて 履いた
つま先にチクリと何かが刺さった

ボクの足は とても熱くなって
踊りたくなって そ
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