お喋りなボクから彼女に助言。/水島芳野
 
お世辞が欲しいなら磨けばいいのにね、って
それは顔の整った少年が言ったんだよ

そしたら彼女は
わたしにゃ布がありません、ってさ。


あてどない天井の奥行きに目を奪われ
僕らは手を伸ばすことに疲れ気味。
いつだって添え木がなくっちゃ立ってられなくって
不安げに神さまのご機嫌を伺う
どんなに枝を整えてもらったって
庭師が下手なもんだから、みいんな不恰好なまんまさ。



食べられたくなきゃ黙ってればいいんだ、って
それは賢い獣が言ったんだよ

そしたら小鳥は
それなら死んだほうがましです、ってさ。


箱庭に囲われたと嘆いてばかりで
ほんとはなんにも知りゃしないのさ。
誰かが灯りをこらして見つけた道を
誰もが土足で踏み荒らす


その下卑た笑い声を治したいってんなら、
一度本気で鳴いてみな。




話は簡単だ




そうだろ?



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