「 ぼくはふたにぎり、でもすこし。 」/PULL.
 
て二握りと少し、前屈みになってしまう。


三。

 どろりとしたものが二握りと少し先から溢れてぼくは、あわてている。夢の中でぼくはムラセに二握りと少し、握られていた、ムラセの手は汗ばんでぬるぬるとしていて握りながらムラセは、ぼくを引っぱり、ぼくは皮も被らずどこまでも引っぱられてその先で、目が醒めたら溢れていた、どろりどくどくと、根本から先に向かってぼくは二握りと少し、溢れていた、指先に付いた白いどろりを舐めると、にがい、味がした、ムラセはこんな味がするのだろうかと思うと、さらにどくどくと、どろりが溢れた、ぼくはもうあわてなかった、今日ならちゃんとムラセの前に、立てる気がした。












           了。


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