ささめく呼吸/まりょ
息を
していると生きているけど
生きているのは息してることではないので
窓の内側からの世界はいまいちきれいじゃないし
煙草のフィルター越しにしか深呼吸を思い出せなくて
あーあの子がくれたマルボロはうまかったのになー
少し困ってみた 午後
たぶん六時くらい
だんだんと弱ってきた
とも思えない
むしろだんだんと図太く
野草みたいに強くなって
あんまりまぶしいのにも
いちいち傷つかずに済むようになって
これが正解なんだと
思うことにした
もう考えるのはよそう
嘘、もっと考えないと
葦のように細くもないし
私を細切れにして
元素レベルで量り売りにする
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