「地下一階から見上げているひとへ」/ベンジャミン
気持ちと
たたかうように
だからあなたはまだ
この世に生をさずかる前の詩を
あなたという部屋のおくにかくして
そして見上げようとする空が
空っぽではないことを祈りながら
空を描こうとするのです
けれどあなたは
そんな空を知らないので
あの巨大に明るい空を見ていないので
だからあなたはまだ
まだそこにいて見上げること
それが自分にできる唯一だと思うのです
あなたの部屋には
たとえ地下一階でも
窓があり
きっと
扉もあるはずなに
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