しおり/yo-yo
 
なにごともない虚ろな午後
ふと空をよぎる
鳥が
その日の栞になった


行くでもなく帰るでもない
ふたしかな彷徨い
花が
その道の栞になった


こころもとない眠りの果て
闇の中にひとつ
星が
その夜の栞になった


それら
この春の記憶をひらき
たしかな行間に
ぼくは
ぼくの栞をはさむ




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