いつか/t__y_k_
この街をいくら歩いても
こなかった「いつか」は迎えにこない
二人で住もうと決めた古屋の縁側には
今日はやわらかく雨が落ちているだろうか
「約束はしたけど守るとはいってないよ」
なんて
飄々と語る君の顔はどんな顔だっけ
うまく思い出せない事の幸運と
うまく思い出せない事の悲しさが
今日も仲良く手をつないで
こっそり季節を渡ろうとしている
あと一ヶ月もすれば梅雨の時期だ
ふやけるくらいに水をすったこの街には
いろんな色や柄のまんまるがひしめく
くどくど長い説教みたいな雨が
街を楽しそうな水玉模様に変えていくから不思議だ
奇跡みたいにポップに踊る水玉の街を
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