朧月/
COCO
身体は体温をなくして冷えてゆくのに
優しくなれずに
離れられずに
滅紫の空を仰いで
僕は途方に暮れていた
どれだけ空を仰いで
やがて空には月が浮かんだ
その月の光は何とも朧げで―
切り離したままの小指と
切り裂いたままの身体で
僕の足取りはまだおぼつかず
だけど
儚い明日を照らすのは
いつもあの朧げな月の光
そういつも
あの朧げな月の光
僕は明日
少し優しい
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