朧月/COCO
 
確かなものが欲しい、と泣いた


そんな日々には

野良犬たちも

たんぽぽも

いつもの帰り道さえ

他人だった





君の小指と僕の小指を何度絡ませて

永遠を約束したのだろう

でも

少しづつ擦り切れてゆく君の小指

僕はそれがとても怖くて

思わず小指を切り離した




君の身体と僕の身体を何度絡ませて

愛を確かめたのだろう

でも

少しづつ擦り切れてゆく君の身体

僕はそれがとても怖くて

思わず身体を切り裂いた



切り離した小指は赤い涙を流して止まらないのに

切り裂いた身体
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