朧月/COCO
確かなものが欲しい、と泣いた
そんな日々には
野良犬たちも
たんぽぽも
いつもの帰り道さえ
他人だった
君の小指と僕の小指を何度絡ませて
永遠を約束したのだろう
でも
少しづつ擦り切れてゆく君の小指
僕はそれがとても怖くて
思わず小指を切り離した
君の身体と僕の身体を何度絡ませて
愛を確かめたのだろう
でも
少しづつ擦り切れてゆく君の身体
僕はそれがとても怖くて
思わず身体を切り裂いた
切り離した小指は赤い涙を流して止まらないのに
切り裂いた身体
[次のページ]
戻る 編 削 Point(15)