清月の薔薇/千月 話子
 

私を見つけて
夜花になる
私達の純潔


朝日が眩しくて
夕日が悲しいと
共に覆い隠した
接合部の無い日の出来事


階段の一番下の段差の高さを
飛び降りられない私達の真上で
純白が崩れ始めて白薔薇のような月


下方には光る棘を尖らせて
痛みの無い痛みを知ってしまっても
今は 手を離さないでいて


私達の身体をぎゅうと触れ合わせて
私達の凹凸を堅く結ばせて
薔薇の月が閉じるまで
薔薇の月が落ちるまで



戻る   Point(8)