長い朝/小川 葉
 
目を覚ますと
ベッドの上にいた

白いシーツがどこまでも広がり
睡眠中
あつくてはいだのか
山のように連なる毛布から
上昇する太陽が
まっすぐわたしを照らしてる

もう三日歩いた
一睡もせず
もはや眠る場所ではなかった

ベッドの向こうに
青く広がる海
みずから命を絶つように
遺書を書き
崖から飛びこむと
朝食のいい匂いがしてきた
戻る   Point(4)