T字路/
小川 葉
その奥にはいつも
僕がいた
誰かの家があって
誰かのように
そこで暮らしていた
その奥にはいつも
T字路の
道がふたつあった
僕はその部屋にいた
時々わからなくなって
引き返してはまた
誰かのように
眠るだけだった
そんな夢を見ていた
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