せつないきもち/アンテ
どんなにくるしいときも
ぐっとたえて
かたときもはなさなかったけれど
とうとういっぽもすすめなくなったので
しかたなく
きもちをぜんぶてばなすことにした
あかるいきもちはとおりがかりのひとにあげて
くらいきもちはそらにはなって
いきばのないきもちは
じめんにあなをほってうめた
さいごまでこころにしがみついて
はなれないきもちを
むりやりひきはがすと
かさぶたをはがすようにいたんだ
やっぱりきもちをてばなすなんてまちがっている
おもいなおしたしゅんかん
きせつはずれのかぜがふきぬけて
さいごのきもちをかなたへとうばいさった
あわてておいかけたけれど
どんどん
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)