憎/ピッピ
 
こうして死んでいく全てのありがとうにさようならをして横たわる。眼下を流れていく、ある程度フォーマルな日常。バニラエッセンスのにおいはどこにもいない。自分のために動いていたはずだったのに、なりたい自分にはいつまでもなれない。鬱陶しければ、その機能を退化。握手、挨拶、そして呼吸。ありがとう。目を閉じたらおしまい。日常は誰もが溶けきって融合しあってしまっているのに、目を閉じれば自分だけの世界。朝日はそれを切り刻み、目覚ましのベルはまた人をとろけさす。
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