水の空席/小川 葉
 
にごり水のすきまには
とてもせまい空席が
すみわたる空の波の間で
ゆりかごのように待っている

にごればにごった水のまま
にごる理由もわからずに
残されたその空席を
赤子のようにゆらしてる

光はそこを差している
にごるまでそこを差している
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