BAUHAUS/西日 茜
 
したはずの芸術品が
なんでわたしのちっぽけな夢に在ったのだろう?

もしかすると、わたしは誰かの生まれ変わりなのかもしれないぞ
あのころのバウハウスに学んだ人々の生まれかわりが
マルコヴィッチの穴からゾロゾロ這い出していると想像したら
不条理がなんだとかそんなんじゃなくてただ単純に面白い

ふと、無機質な感情「のようなもの」が
硬質なシルバーの電気ポットの横の四角ばった入れ物の中で
黄と赤と黒の格子柄に染まっていく気がした
それと同時に三角の帽子をかぶったモダンな衣装の踊り子たちが
くるくるとネジ式のように回っているのが見えた


微熱は未だおさまらない…
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