断罪の祭壇/灯兎
残像を組み立てていました
それは最果ても永遠も知らぬ 孤独な作業でした
自分の醜悪さと隅っこに残った光 それだけが材料だったのです
それで あなたを 作れると 思っていました
思い出の中のあなたは とても綺麗で
僕などにその造形の細やかな要素をくみ取ることなど
とてもできませんでした
出来たのは 歪な 奇形といってもいい 怪物
エゴとイデアと 小指の爪ほどのエロス
あったのはそれだけで
あなたには その鏡像 いや虚像ほどにも似ていませんでした
何が足りなかったのでしょうね
思い返してみても 僕には何も思いつけません
それは多分 僕の欠落とあなたの要素が
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