贖罪志願/水島芳野
 
君を傷つけていた。



僕を呪わない君の声がして

逃げ出したくなって

それでもまだ君が好きで。

逃げられません

嗚呼。





君の優しさが怖かった。



足枷に縋っていた

(でも此処から逃げられないのは

紛れもなく僕の意思です。)



逃げられません



逃げたくありません

嗚呼。




笑ってくれればいい










今此処で、ああそうか、なんて気づく。



僕は罪と呼ばれない罪を抱いて

いっそ哀れなほどに赦されたかった。
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