僕ら、鉄パイプ振り回して叫ぶんだ「ハレルヤ」と。/青木龍一郎
世界が見えている
この素晴らしい世界に突っ込んでいく感覚は、脳神経を痺れさせて、挙句の果てに涙は止まらない
美しい
君にもこの世界が見えていることだろう
僕ら、ついに66.56度の傾きを保ちつつもクルクルと空中を廻り始める
高音でハレルヤを合唱すると、あたりにたくさんの鳥達が羽ばたき始める
烏、雀、鳩、みんなが抱き合いながらキスをする
そこには種族間の鉄壁なんて無かった!
その中心で僕らは「良かった良かった」と大声をあげる
鉄パイプの先からは何故かおしっこがチョロチョロと流れている
あたりを飛び交う原爆たちも、とてつもない勢いで増え始める
空の色は既に
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