ケナフ/Ohatu
 

 指のような生き物が
 小さな隙間から無限に降ってくる
 と、
 人間たちはいっせいに
 歓声をあげる
 次々と飛び上がり、手を伸ばし
 掴もうとするさまを見て
 宇宙船は、
 それを波だといった

 何回でも死ねばいいと
 結んでも結んでもほどける紐
 なないろ順々に
 きれいな六角形をつくる
 まだ
 空には青色があるのだから
 切り取っても
 切り
 取っても青く
 干からびた見えない行き止まり
 あたしはそれを
 たたんで、
 舐めた


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