「窓越しの空から」/ベンジャミン
窓越しに揺れる景色が
ゆっくり刻まれてゆく
雲の流れは気ままです
鳥はすらりと通り過ぎ
風が隠れて笑ってます
動かないのは僕だけで
世の中はぐるぐる回り
まるで孤独のようです
無意味な時間に怯えて
焦ってはいないけれど
静か過ぎると不安です
僕が消えてしまうので
思わず笑い飛ばします
溜息はもう吐き尽くし
呼吸を忘れないように
胸を押さえて感じます
ごく当たり前の営みに
自分を照らし合わせて
踏み出せば同化できる
これは映画ではないと
窓越しの空は語るだけ
重たい体をのり出して
飛べるはずもないのに
夢ばかり見ている僕が
滑稽に映らないように
戻る 編 削 Point(5)