剥き身/鎖骨
外行きの悲しみも選べない
惨めさの靴を履き濡れた外套を羽織り
暗澹の面をつけ町を往く風と逝く
惨めさに塗れた生活だった
これは送ってきたものにしか判らない
想像はいつだって都合よく軽く甘い
なんだってしてるつもりしたつもりのひとたち
紅差す笑顔が明るいね
見るんじゃなくて分かろうとしなけりゃ
いつも遠くの岸から
高き稜丘から
透き通る硝子石を投げてくるだけの
あるいは陽に掲げて悦に入る詩人、詩人、詩人
風車小屋に上等の石臼を持っているという
何を考えてるのか知らないけ
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