残された色/
乱太郎
君の絵/まだ描けずに
筆に付けると/
/もう無くなって仕舞いそうに思えて
水に溶かすと/
/空の向こうに消えていきそうな
(小さな部屋/白いコーヒーカップ)
君が最後にこの部屋に来たのは/いつだったろう
壁に掛けた時計/ /針がとまってしまって
何も言わずに/
/優しい君だから
携帯電話を変えた君/
/君からの手紙を待っている
思い出の/
/君の色
しばらく/このままに
水になって/
/溶けてしまないように
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