拝啓/亜樹
 
ミズキの花の咲くころとなりました。
山はすっかり初夏の様相で
合間合間に咲く藤が
いかにも淡く
涼しげです。

山がようやく
山らしくなる
今日
こうして筆をとりましたのは
以前あなたが
青色が好きだと話していたのを
ふっと思い出したからです。


草のあお
花のあお
空のあお

実のあお
苔のあお
川のあお


この季節
山では今年も
あおが溢れかえっております。

ねえあなた。
一度帰っちゃきませんか。
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