拝啓/
亜樹
ミズキの花の咲くころとなりました。
山はすっかり初夏の様相で
合間合間に咲く藤が
いかにも淡く
涼しげです。
山がようやく
山らしくなる
今日
こうして筆をとりましたのは
以前あなたが
青色が好きだと話していたのを
ふっと思い出したからです。
草のあお
花のあお
空のあお
実のあお
苔のあお
川のあお
この季節
山では今年も
あおが溢れかえっております。
ねえあなた。
一度帰っちゃきませんか。
戻る
編
削
Point
(3)