ラージ、ラージ、エクストラ/Ohatu
 
 真ん中を行儀良く並べば、全員が通れるのに。

 男の子が割り込もうとして。
 並んでいた別の子を跳ね飛ばし
 自分も跳ね返され
 二人とも、ふたごの羽根にやられた。

 それを見ているはずの人たちが、
 どうしてか、同じように割り込もうとするのを
 やめない。

 ほとんど、プラットフォームに下りた自殺志願者を
 助けるみたいで、あたしにはルールが分からない。

 ルールはいつだって折りたたまれていて、
 一生懸命にひろげても、しわを伸ばしても
 裏面しか見えない。

 ―

 田んぼが見えて、白鳥、歩き回って。

 白鳥に乗って。

 飛んで。

 飛んでも落ちるだけさ。でも。

 白鳥は、毎日洗濯するあたしのシャツより、
 あたしより白い。

 汗をかかない体が欲しいです。
 そうすれば永遠だから。

 ―

 行き止まりは、からっぽ。
 それでもちゃっかり、家の場所は覚えてるの。  
 

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