意味がない/蒼木りん
夕方
車を走らせていると
ちくちく
胸が痛む
アスファルトと白線が
すべるのを見ていると
ちくちく
胸が痛む
熱にほだされた太陽を
見てしまったから
ちくちく
胸が痛む
今日は
やけに 痛い日だ
如何でもいいさ
このアスファルトに 血を吐いて
右頬つけて ぶっ倒れてても
蟻が側を這いまわっているのを見詰めながら
『嗚呼 これで死ぬんだな..』って
涙 溢したとしても
やがて 血染みは乾いて
雨に流され
土に返る
それで
お終いさ
咲いた花が
手折られて 遊ばれて
首を曲げたままの姿で
言切れた
覚えてなんて
いないのさ 君は
そして 誰も
眠りに落ちる頃
さて
明日は何曜日だった?
と
今日は
何回 救急車に出会ったろう
くらいに
やけに
胸が痛む
アスファルトで
大根卸す
想像
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