声に出すのが苦しいからとひっそりとつぶやくだけの日々が増えてゆく/春日
えないんだよ今さら、
ただわらってて、
手を伸ばした先にあったね、
当たり前と知っていて、
なくすことも知っていて、
それでも今まで何回名前を呼んで、
拒否はいたいけど、
嫌いじゃないんだ、
おはようとかおやすみみたいに、
簡単に言える言葉なら、
どんなに良かった、
昇華しきれない胸は、
まだ痛いと言って、
残された痕跡を、
ひたひたと感じるたびに、
目の奥があつくなるけれど、
もう一度ごめんねを言ったら、
きみは、
ゆるしてくれる、
戻る 編 削 Point(3)