消失欲求/
高島津諦
誰からも笑われたくないそれだけを考えている顔も洗わず
胸骨の奥に水銀充ち満ちたさかずき一つ震える心地
理想的フォームで端から次々に否定されてくシーラカンス
ぬるま湯の中でゆっくり茹でられた蛙だったら良かったのにな
イルルヤンカシュと吐息を漏らしてはどこか恐ろし気配を感ず
同級のあの子らの首刈るように向日葵の茎鎌で掻き切る
人間が埋まっていそうな木を探し根元に私の名前を刻む
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