向日葵姫東文章/紅林
異国より流れ着いたる姫様は迎え待ちわび今宵も身売り
入管の影消えるまで隠れ伏す押し入れで姫 モーラム(注:タイの民謡)歌う
「姉が隠れ住むフクオカ電車ならどれだけかかる?」と姫 彼方見る
ヤー(注:タイ語で「祖母」)の誕生日にカオニャオ(注:いわゆるタイ米)焚いて籐のかご下げ三河島(注:タイのワット(寺)の東京別院がある)行く
母の名を記したポチ袋を投げ「ブン(注:タイ語で「徳」。寄付などの際に名義をほかの人にすることにより、自分の徳が移るという思想がタイにはある)届け」と祈る浅草寺
「日本ではお寺を守るのは閻魔様なの?こわい」
「それ仁王様」
「生まれかわるなら人よりこの花」と肩のひまわりさする姫様
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