雨のち、チョコレートバー/Hitotsuyanenoshita
かなしいことなんか
ないよ
と
雨の日にであった
女の子がいった
かなしいことなんか
ないよ
チョコレートバーの
包装を
ひりひりはがして
そこから
むぐむぐ食べていた
わたしにも
くれた
包装が雨でぬれて
手がすべって
なかなか
チョコレートバーを
取り出せない
とおりかかった
きんじょの
スーパーの店員さんが
みかねて「かして」
ぬれた包装をものともせず
手早く取り出して
わたしにくれた
店員さんはスーパーの
チョコレートバー売り場を
任されている
いつも
チョコレートバーの棚の前で
チョコレートバーを
眺めている
チョコレート
[次のページ]
戻る 編 削 Point(8)