ワイングラス/aidanico
 
瞼が世界の彩度を盗んでしまったんだ
春風が私の温度を奪ってしまったんだ

目覚めの銘柄は“拍手”
ネオンが傍で瞬いたら郷愁

喉仏 刺してゆけば善い
一瞬で貫くのに然したる迷いは無い
正しい態度など産まれ付き持合わせてはいないのさ

不束な態度が感度鈍らせていたんだ
覚束ない千鳥足でボトル空けていたんだ

嗚!何もかも莫迦らしいグラス割って
どう見積もっても憎らしい輩の値打(クラス)踏み付けて

闇に包まって窮屈に塗れてしまえば良い
味交われば整然な理屈に溺れてしまえば良い 
真実の見切りなんて案外何時もそうじゃない?

(酔いが/覚めれば)
(思いも/覚める)
(宵が/更ければ)
(法螺も/吹ける)

(発熱)(している)
(この身体(フルボディ))
褪めないうちに 辛口(SEC)で召し上がれ

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