ストレンジ・フィールドにさよならを/
雨を乞う
を装い続けた、内臓はもう夙に腐っていると言うのに、僕は普通だなんて言葉を使う。こんなに愛のない四月が来るなんて思わなかった、ひとつも手に入らなかった解答に、少しも黒くならない答案用紙に、荒くなっていく呼吸を止められない。これもまぼろしの国を目指す旅路だというなら、心を亡くしても溺れ続けなければならないんだな。
もう逃げられないとわかっているから、逃げることばかり考えている。
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