日記/つばくらめ
 
背中
紺のスカートと 白い太ももを震わせ
教員の悪口を嬉しそうに話す
あの太ももも 数年もすれば
どこかの男の 唾液と精液に塗れる


街頭の灯りが減ってきて
見慣れない名前の
大きいスーパーの前に来たところで
最後のパーカッションが
チィン と鳴った
その音が鳴ったから
手近にあった信号で
舗道の反対側に渡る


また1曲目にアルバムを戻して
真っ黒になったコンクリートの上に
ザリッ ザリッ
さっきの体液を
誰にも見えないように擦り付ける
ザリッ ザリッ 
右足を前に出すのと同時に
ザリッ ザリッ
別に 汚いとも思わないのだけど
ザリッ ザリッ ザリッ ザリッ ザリッ ザリッ ザリッ
真っ黒いコンクリートに
誰にも見えないように擦り付ける
駅の灯りが近づいてきて





きょうも とくに なにも なかった。






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