姫りんご/
見崎 光
星空を覆う月光の下
短命を謳いそよぐ枝先
姫りんごに似たその花は
果実のような香りを水面に滑らせ
波となり
風となり
記憶を繋ぐ橋となる
優美を掲げた桜は陽の下に
魅惑を秘めた桜は月下に
優雅を控えて姫りんご
想いに合わせて顔を変え
短命ゆえに咲き誇る
焼き付ける真の強さ
散りゆく
おぼろ
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