右往左往/狩心
おれ達は絶対零度 マイナス180℃の世界だ
終わりから数えた方が早い
今から断崖絶壁に飛び降りた方が早い
俺たちは真夏の太陽
咽喉がカラカラで砂漠を歩き続けても
ずっと追いかけて来る真夏の太陽 砂漠
おれ達は絶対零度 真夏のビブラートの世界だ
オブラートに包んだ豚の背油
抱えたままおっちんで死ぬ
皮膚が骨にさよなら
瞬きは条件反射
卓球台でボールを打ち返すように
そこに立つのは誰か 温度計だ 砂漠だ
地熱を計り続ける氷河の太陽
俺たちは猿ぐつわを嵌められた盲目の少女
ひとたび前進する寝息
心から爆発した空気の拡散
雨が騒いだときの光
さよ
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